『魔法使いの嫁』

林田力

ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』(BLADE COMICS、2014年)はファンタジー漫画である。舞台は現代イギリスであるが、魔法が存在する世界である。骸骨の魔法使いが日本人の少女・羽鳥チセを人身売買のオークションで落札し、自分の弟子・嫁にする。

この紹介では鬼畜な話に聞こえるが、そのようなものではない。少女は親戚から厄介払いされた孤児であり、家族として扱ってくれた魔法使いに一定の信頼を向ける。イギリスの自然や妖精などファンタジーの世界観が美しく描かれており、むしろ心安らげる作品である。

それでも本書の設定だけを抽出すれば危うさがある。オウム真理教(アレフ)が改めて若い世代を中心に信者を増やしているが、孤独な若者の居場所となっているためである。主人公のメンタリティがアレフに帰依する若者と異なると言い切れるか。主人公には幸せになって欲しい。そのためには魔法使いが善玉であって欲しいが、本当の意味で幸せになるためには主人公の精神的自立も必要だろう。

『魔法使いの嫁 2』危険ドラッグと重なる

ヤマザキコレ『魔法使いの嫁 2』(BLADE COMICS、2014年)は緊迫したところから始まる。回想シーンでは不幸に直面した善人が悪い魔法使いに唆されて理性を失い、悪魔的な所業を行う堕落が描かれる。この悪い魔法使いは自分では手を下さず、他人に実行させる卑怯者であり、誰もが憎める悪役の要素を持っている。

怪しげな薬の調合で他人を不幸にして自分が儲ける危険ドラッグの売人のような存在である。悪い魔法使いの外見は綺麗であるが、中身が腐っていることは容易に想像できる。合法ドラッグ(合法ハーブ)と称して販売される危険ドラッグのように。

しかも悪い魔法使いの実験は、あっさり失敗してしまう。これも吸ったら即死亡という毒性の高い危険ドラッグを造ってしまう危険ドラッグ製造者の粗雑さに重なる。怪しい黒魔術と危険ドラッグは重なる。

『魔法使いの嫁』の世界観はキリスト教以前の神話が色濃い。キリスト教精神はヨーロッパの文明の推進力になったが、経済合理主義の文明が行き詰まっている現在、失われた古代の神話に魅力を覚える。

『魔法使いの嫁 3』卑怯者への反撃はカタルシス

ヤマザキコレ『魔法使いの嫁 3』は対決の構図が明確になる。卑怯な敵キャラクターへの反撃はカタルシスになる。徹底的に憎むべきキャラクターである。倒したら味方にするというキャラクターではない。本人も何をやりたいか分からないという感じで、悪の美学さえ持っていない。不幸を撒き散らすだけの存在である。

この悪役は「さまよえるユダヤ人」と呼ばれる。本書の世界観はキリスト教以前の神話が色濃いものであったが、ここでキリスト教的な価値観が出てきた。物語の世界観がどうなっているのか興味深い。

主人公には新たな仲間が加わる。主人公から見れば圧倒的な存在であったエリアスも不安定さを見せる。チセは新たな仲間と共にエリアスと離れて、出かける。チセの精神的自立への一歩である。孤独であったチセが家族として扱うエリアスに信頼を寄せる気持ちは痛いほど分かる。ただ、それだけではオウム真理教(アレフ)に帰依する若者と変わらなくなる。やはりチセが自立するかに注目したい。

林田力


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