『機動戦士ガンダム サンダーボルト 6』連邦の軽薄

林田力

太田垣康男『機動戦士ガンダム サンダーボルト 6』(ビッグコミックススペシャル、2015年)は南極海の戦いである。連邦側の視点が中心である。戦友の戦死など戦争の過酷な現実が描かれるが、どうしても連邦兵はピクニック気分で戦争しているような軽薄さを感じてしまう。それに比べるとジオン兵は背負っているものが重い。武人としての重厚さがある。宇宙世紀ガンダムでは連邦は腐敗組織と描かれるが、本書でも連邦よりもジオンに感情移入したくなる。

氷原や海中の戦闘シーンは迫力がある。自然の厳しさがある。宇宙空間よりも地球上の自然の方が厳しさを感じる。宇宙空間はリアリティーがないのだろう。モビルスーツでもジオン軍は水中戦用に特化しているが、連邦軍はガンキャノンやボールを改造したものに過ぎない。連邦の中央集権的で画一的な体質を感じさせる。地球を拠点とする連邦以上にジオンの方が大自然の脅威を理解している。この観点ではガンダム作品でガンダムが圧倒的な強さを発揮することは約束であるが、ガンキャノン・アクアまでジオンのMSを撃破することは興醒めである。

この巻のシリーズは一年戦争後の地球を舞台にジオン軍残党、地球連邦軍、地球連邦からの独立を目指す南洋同盟の三つ巴の戦いを描く。南洋同盟はカルト教団が主体である。カルト教団が敵という点が現代の作品らしい。ファースト・ガンダムでは宗教性は希薄であった。当時は冷戦時代であったが、冷戦終結後は宗教紛争が深刻化した。未来を描くSF作品であっても現代社会を反映している。カルト教団が仏教系である点はオウム真理教事件を踏まえれば十分に考えられる。

『機動戦士ガンダム サンダーボルト 5』

林田力

太田垣康男『機動戦士ガンダム サンダーボルト 5』は一年戦争後を描く第二部である。地球を舞台にジオン軍残党、地球連邦軍、地球連邦からの独立を目指す南洋同盟の三つ巴の戦いを描く。連邦からの独立を目指す勢力を登場させたことが物語にリアリティーを与えている。

宇宙世紀ガンダム・シリーズは基本的に地球連邦が勝利する物語であるが、その割に連邦は不人気である。ジオンに感情移入する熱心なファンも多い。むしろ連邦は腐敗と無能と非効率の象徴である。それは地球連邦という汎人類的な統一国家にリアリティーがないためである。初代ガンダムの登場した時代は民族紛争や宗教紛争が軽視され、汎人類的な統一国家をイメージすることは、それほど困難ではなかったかもしれない。

しかし、現代では成り立たない。ソビエト連邦という国名に地名を持たない人工国家は消滅した。地球連邦のような組織が、まともに機能すると考える方が非現実的である。故に派閥争いはあっても、組織的には一体化している初代ガンダムの連邦の描かれ方は現代から見ると現実味に欠ける。『機動戦士ガンダムUC』では独立運動が登場し、21世紀の作品らしい。

『サンダーボルト』は、ジオン側と連邦側のダブル主人公が特徴である。主人公サイドということで連邦に一方的に肩入れしなくて良くなっている。連邦の新しいガンダムはアトラスガンダムである。アトラスは手塚治虫の鉄腕アトムでは悪役ロボットの名前である。貧困ビジネスのゼロゼロ物件業者の社名もアトラスであり、悪役の印象が強い。やはりガンダムは連邦を嫌悪し、ジオンに感情移入したくなる。

林田力


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